ホモ・サピエンスを想う

われわれ人間の健康を考えるとき、「いったい人間(ホモ・サピエンス)とはどういう動物なのか?」を考える必要があると思います。
何故なら、私たちの身体は、この地球環境を生き延びるために適した体になっているからこそ、ここまで繁栄したと考えられるからです。

現代は科学の進歩によって、さまざまなことが解明されつつあります。
しかし、科学とは仮説の積み重ねで出来ていて、どこかで間違えた仮説があれば、それを基にした仮説もまた間違えている可能性があります。

栄養学の世界では、過去の常識が次々と覆されてい行くという事態が起こります。
例えば、卵においては、健康に良いからどんどん食べるべきとされた時代から、コレステロール値が上がるから一日一個が良いとされ、さらにはそれも覆って、卵はコレステロール値を上昇させないとされ、最近では、コレステロールは身体に悪くないという説まで出てきました。
いったい何が本当なのか解りません。
これが科学の限界なのです。

これに対して、私たちの祖先がこの地球環境の中で生き延びてきたことは事実であり、私たちの身体には、そこで生き延びるだけの機能があると考えることに無理はありません。

ホモ・サピエンスは約40万年前に現れたとする説があります。
人類の祖先と言われる、アウストラロピテクスは600万年とか700万年前とも言われています。

農耕が始まったとされるのは、約1万年前。
日本で確認されている最古の農耕の痕跡は約3000年前とされています。
さらに、飽食の時代と言って、食べ物があふれかえり、肥満が社会問題化してきたのはここ30~40年くらいの事です。

ホモ・サピエンス40万年の歴史のうち、農耕が始まる前の39万年は何を食べていたのでしょうか?
この頃は、狩猟採集の生活をしていたと考えるのが妥当です。

日本の縄文時代も、狩猟採集が基本でした。
狩猟採集の生活では、当然のことながら高度精製された穀物があるわけもなく、今のような炭水化物中心の食生活ではなかったはずです。
ドングリやクルミなどの木の実、イノシシやシカ、ウサギなどの肉、魚や貝などの魚介類、山菜やキノコなどを食していたと考えられています。
たまに果物やはちみつなどを食べていたかもしれませんが、炭水化物(糖分)は、主要な食べ物ではなかったと推測されます。

私たちの身体は、このような生活に適応してきたと考えられます。
適応してきたからこそ、生き残って来たのです。

現代のように、高度精製された穀物によって作り出された食べ物が溢れ、食事の中に占める糖分の割合がここまで多い生活は、かつて人類は経験していないと思われます。

さらに、科学技術の発達で、身体を使わずに生活が出来るようになったことも、大きく影響していると思います。
人間は動物ですから、動くことが前提の身体のつくりになっています。
ところが、デスクワークが増えた現代は、その前提が崩れてきているのです。

年々増えていく生活習慣病は、こういう生活に我々の身体が適応できていないことを表していると考えられます。
肥満、高血圧、糖尿病、脳血管障害、虚血性心疾患、癌、認知症、うつ病、アレルギー疾患、自己免疫疾患etc.
挙げればキリがありません。

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私は整体師になって16年間。人の健康を考え続けてきました。
本当に健康的な生活とは、どういう生活なのか?

その答えは、ご先祖様の生活から大きく離れないことだと思っています。
つまり、私たちの体が持っている「仕様」に沿った生活をすることです。

だからと言って、狩猟採集生活をしろ、と言っているわけではありません(笑)
運動、食事、生活のリズム。
ご先祖様の生活を想い、それに近い生活を心掛けるのです。

これが、私がたどり着いた「健康的な生活」のイメージです。