糖質制限について学ぶ

今、ダイエットと言えば、糖質制限ダイエットが注目を浴びています。
糖質制限というのは、その名のとり、糖質を制限するダイエットです。

私が提唱するダイエットも、炭水化物を減らしましょう!と呼び掛けているので、糖質制限ダイエットの一部かもしれません。

栄養学の基礎では、糖質は、タンパク質、脂質と並んで3大栄養素と呼ばれ、人間にはなくてはならないものだと習います。
私も長い間、ずーっとそれを信じていました。

私は、若いころ、トライアスロンというスポーツにのめり込んでいた時期がありました。
持久系のスポーツをやったことがある人はお分かりだと思いますが、スポーツにおいて、糖質は無くてはならないエネルギー源であると考えられています。さらに、昨日のブログにも書きましたが、脳はブドウ糖をエネルギー源としているので、糖質が不足すると脳の機能が低下すると考えていました。

しかし、糖質制限を推進する産婦人科医の宗田哲夫先生の著書には、脳がブドウ糖のみをエネルギー源としているというのは誤りであると書いているのです。
ケトン体が人類を救う 糖質制限でなぜ健康になるのか (光文社新書)

以下、その抜粋です。

ケトン体(英:Ketone bodies)とは脂肪酸ならびにアミノ酸の代謝産物です。
アセトン、アセト酢酸、βーヒドロキシ酪酸のことをまとめてケトン体と言います。ケトン体は、脂肪酸の分解により肝臓で作られ、血液中に出されます。
このうちβーヒドロキシ酪酸は、ケトン基を持っていないので、厳密にいえばケトン体ではないのですが、医学界でも整理学界でも、長年習慣的にケトン体に含めています。

このケトン体は、心筋、骨格筋、腎臓など、さまざまな臓器で日常的にエネルギー源として利用されています。人体に日常的に存在しているもので、全く毒性はありません。
基礎代謝の多くを占める骨格筋や心筋は、エネルギー源のほとんどが脂肪酸ーケトン体です。つまり、私たちは、ごく日常的に毎日24時間、「脂肪酸ーケトン体」エネルギーシステムを利用して生きているのです。
〈中略〉
ヒトには糖代謝(ブドウ糖ーグリコーゲン)エンジンと、ケトン体代謝(脂肪酸―ケトン体)エンジンの2つがあるのです。
〈中略〉
脂肪酸やケトン体は、細胞内のミトコンドリアで代謝されますから、ミトコンドリアの無い赤血球では、ブドウ糖しか使えないのです(とはいえ糖質を摂取せずとも、肝臓でのアミノ酸などを使った「糖新生」でもブドウ糖は作られます)。
しかし、それ以外の臓器では、たとえ「脳」でも、ケトン体が使えます。脂肪酸は分子量が大きいために血液脳関門を通過できませんが、ケトン体は通過できますし、最近では、むしろ脳神経系はブドウ糖よりもケトン体との親和性があり、ケトン体は脳にとっては保護的な作用があると言われています。

つまり、脳は脂肪酸を直接エネルギー源には出来ないが、脂肪酸の代謝産物であるケトン体はエネルギー源にしていると言うのです。

ブドウ糖をエネルギー源にする回路と、脂肪酸、アミノ酸をエネルギー源にする回路の二つが存在することは、生理学上では基礎の部分なので、私もかなり前から知っていました。
しかし、脳はブドウ糖をエネルギー源にする回路しかないと言うのが定説でしたし、ずっとそう思ってました。そして、そのために、糖質は絶対に必要な栄養素であると思っていました。

上の引用にもありように、ケトン体が脳のエネルギー源になっているうえに、肝臓における「糖新生」でブドウ糖を作り出すことが出来るので、糖を食べ物として摂取しなければならないという理由は無くなります。

考えてみれば、私たちの祖先は、狩猟採集の生活を長い長い間行ってきたわけです。
その歴史は、おそらく飢餓との戦いであったと推測されます。

体内に少量しか蓄えることが出来ないブドウ糖、しかも、狩猟採集の生活では安定的に供給できないブドウ糖が、絶対に摂取しなければいけない栄養素であったはずがありません。
逆に言うと、ブドウ糖を摂取できなくても生きられる機能が身体の中にあったからこそ、絶滅せずに今日まで生き延びてきたのです。
このように考えると、納得のいく話です。

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一方で、糖質がエネルギー源として優れていることは確かですし、美味しいことも事実です。
積極的に摂らなくても良いものではあるけれど、それなりの利点はあると思います。
食事の楽しみとしての側面も大切にするべきだと、私は思っているので、全ての糖質を制限する必要はないと思います。

絶対に取らなければいけないものではないこと、食べ過ぎると体調を崩し、下手をすると寿命を縮めることを理解したうえで、上手に付き合っていけばよいのだと思います。

いま、個人的に興味を持ってるのは、サッカー日本代表の長友選手が、今シーズンから糖質制限にチャレンジしているという事です。先ほどの宗田先生の言葉を借りれば、ケトン体エンジンをメインエンジンにするべく体質改善を行っているようです。トップアスリートがケトン体エンジンをメインエンジンとする身体になった時にどうなるのか、興味のあるところです。
長友選手の活躍から目が離せませんね。

糖質制限に興味のある方は、ぜひ、宗田先生の本を読んでみることをお勧めします。
今の医学界の問題にも鋭く切り込んでいて、痛快です。
目からうろこがボロボロ落ちますよ。
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