うつ病は生活習慣病

私にはミッションが二つあって、一つは肥満を減らすこと、もう一つはうつ病を減らすことです。どちらも自分が陥り、そして克服してきたものであり、健康を著しく阻害し、現代社会において多くの人が苦しんでいるテーマです。

肥満とうつ病には共通点があります。
それは、どちらも生活習慣病であり、自分をコントロールできないことで起こるということ。

かつて、医学界は「うつは心の風邪」キャンペーンというのを行いました。
これは、SSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)という抗うつ薬が日本で認可されたことに伴うキャンペーンでした。

うつは心が風邪をひいたようなものだから、お医者さんに行ってお薬を飲めば治りますよ~。

そういうものでした。
このキャンペーンはある意味大成功をおさめ、その後SSRIの売上は順調に増えました。

しかし、うつ病は減ったのでしょうか?
そんな事はありませんね。
むしろ、このキャンペーンの後、うつ病患者も増えてしまうという結果になりました。

いったいどうしてこんなことになったのか。
私は、うつを風邪に例えたことが間違いだと思っています。

風邪は、ウイルスや細菌が体の中に入り込み、身体がそれを排除しようとして戦っている状態です。
したがって、その戦いに勝利すれば、すっきりと治ります。
ですから、お薬を飲んで安静にしていれば治るのです。
(たいていの人はお薬を飲まなくても、安静にしていれば治るのですけどね。)

うつは、例えるなら、心の生活習慣病です。
普段の心の使い方(心の生活習慣)が間違えているから起こる病気です。
この場合、薬で一時的に症状を抑えることができても、生活習慣を変えない限り再発してしまいます。

うつ以外の生活習慣病でも、お薬で治そうとすることがありますよね。
高血圧とか糖尿病とかはいい例だと思います。
そういう場合は、生活習慣の改善も指導されるのが普通です。
食生活を改善して、適度な運動をしてください。などと指導されるわけです。

うつ病の場合は心の使い方を間違えているのですが、そこには何の指導もしてくれないのです。
これが、うつ病が治らない原因だと私は思っています。
うつを風邪にたとえてしまったことが、そもそも間違えているのです。
「治る」ということに対するイメージが間違えているのです。

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心の使い方を変えていくというのは、これがなかなか難しいということも、医療がそこまで踏み込んでいけない原因になっています。
心の使い方は外から見ることができません。
どこがどのように間違えているかを突き止めるには、本人の内省が必要不可欠です。
そのためには、時には膨大な時間がかかることもあります。

つぎに、間違えているところが解っても、これを変えていくのが難しいことである場合もあります。それこそ習慣を変えるというのは、なかなか骨が折れる作業ですが、根気よく続けていくしかありません。

カウンセリングは、心の使い方の間違いに気づき、それを変えていくお手伝いをするのが目的です。自分一人で出来ればいいのですが、カウンセラーの力を借りることで、その作業が一気に進むこともあります。自分の事は、自分ではよくわからないものなのです。

心の生活習慣を変えるということは、これまでの考え方を捨てて、新しいものの見方を手に入れるということです。
かたくなに自分の考え方を変えようとしない態度では、うつを克服することは出来ないでしょう。

うつ病でお困りの方は、ぜひ、ここのところに手を付けてください。
自分の心の使い方を根本的に変えていくことが、うつの苦しみから解放される道なのです。