幸せに生きるために身につけたいこと

アドラー心理学を世に広めたベストセラー「嫌われる勇気」の続編である「幸せになる勇気」を読んでいます。
この中に、アドラーが掲げる教育の目標、理想とする到達点が書かれています。

人間の行動面でふたつ。心理面でふたつの目標です。

・アドラー心理学の目標
〈行動面〉
1.自立すること
2.社会と調和して暮らせること

〈心理面〉
1.私には能力がある、という意識
2.人々はわたしの仲間である、という意識

なるほど、こうやって四つにまとめると、とても分かりやすいですね。

行動面における目標はとても理解しやすいですね。
自立して、社会と調和して暮らすことが出来れるようになることは、とても大切なことです。
このことは、多くの人が理解していることだともいます。

一方で、心理面の目標というのが興味深いですね。
こちらを意識して、自分の子供を教育しているという方は、なかなかいないのではないでしょうか?

「私には能力がある、という意識」は、「自己肯定感」とか「自信」という言葉でも表現できます。
この意識を持てないことで、苦しい思いをしている方は多いですね。
また、「人々はわたしの仲間である、という意識」を、アドラーは「共同体感覚」と表現してします。

この二つの目標は、心理学者のエリクソン( Erikson.E.H)掲げる、青年期の目標である「自我同一性の獲得」と共通しています。
産業カウンセラー養成講座のテキストには、「自我同一性」は以下のように説明されています。

エリクソン Erikson.E.H 「自我同一性」
1.自己の一貫性に関する自信で、自分は今までこなような自分として生きてきたし、今後もこのような自分として生きるだろうという感覚である。
2.社会の是認に対する自信で、このような自分をこの社会は是認するであろうという感覚である。

表現の違いはありますが、ほぼ同じことを言っているのではないかと思います。
ただ、アドラーの表現のほうがシンプルで実感として理解しやすいですね。

私が過去にうつ病になった原因は、この心理面での目標が達成していなかったからです。
そうして、この問題で精神を病んでいる人、悩みを抱えている人が多いであろうことも、容易に理解できますね。

若いうちは、できないことが沢山あります。
自分の足りない部分、至らない部分に意識が行ってしまう傾向にあります。
そうなってしまうと、「私には能力がある」という感覚を持つことは難しいでしょう。

しかし、できないことが多いからといって、それが「能力がない」ということにはなりません。
「まだ」できないだけであって、今後も「ずっと」できないということにはならないからです。

「自分には能力がある」ということは、「がんばればできるようになる可能性がある」ということなのです。
そういう実感を持つことが大切なのです。

ふたつめの社会に関する感覚は、アドラー特有の「共同体感覚」と呼ばれています。

現代において、子供のころから他人との競争、他人との比較によって、自分の能力を判断するような傾向があります。
学生時代は学力において、社会人になってからは収入において、または、役職において、他人と競うことよって、自分の位置を確認しようとします。
このような感覚を持ってしまうと、人間関係を縦の関係、上下の関係として意識してしまいます。

これに対してアドラーは、人間関係は縦ではなくて水平であると言っています。
そうして、他人は仲間であり味方であるという感覚を持つことが大切だと説くのです。

こういう感覚を持って生きていくことが出来れば、人は幸せになれるだろうなあと素直に思うことが出来ます。
自分には能力があり、仲間がに囲まれていると実感できるのですから。

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エリクソンは「自己同一性の獲得」は青年期の課題だと言っていますが、いくつになっても、この感覚を獲得できれば良いと思います。
私がこういう感覚を持てるようになったのは、つい最近のことです。

歳を重ねると、確かに肉体は衰えていきますが、精神面は成長を続けることが出来ます。
歳を重ねるごとに、精神的に安定してきているのを実感します。
歳を重ねることも悪くないなあと思います。