こんにちは!
カウンセラー整体師の渕脇です。
記憶に残るクライアント
この一年間、毎週通ってくれたクライアントがいます。
彼は、大学受験を控えた浪人生でした。
高校三年生の時に、受験のプレッシャーに加えて、色々な悩み事が重なってうつ病と診断されました。
それが原因で、受験に失敗してしまいました。
しかし、それでも大学には行きたい。
でも、薬は飲みたくない。
という事で、私の整体とカウンセリングを受けながら、一年間頑張ることになりました。
戦略的に一年間を考える
最初の頃は不安が強く、勉強に集中する事ができませんでした。
それがまた焦りを生み、その結果、無理やり長時間机に向かい、疲労を溜め込んでいました。
そしてその疲労がまた、集中力を奪う。
まさに、悪循環に陥っていたのです。
受験勉強は、一年間という長丁場です。
試験の当日に出来るだけ良い状態に持っていくことを念頭に、まずは疲労を抜き、不安を和らげ、短時間でも良いから集中できるようにしました。
一年前からがむしゃらに勉強して、うつ病が癒えずに本番を迎えるのは避けたい。
まずは勉強量を抑えて、体調を整えることを優先することにしました。
良い畑を作る
勉強するには、脳のコンディションを良くしておく必要があります。
疲れた頭で、集中できな状態で長時間勉強しても、なにもいいことはありません。
良い作物を作るには、まずは良い畑を作る必要があります。
彼には、勉強時間を減らし、睡眠時間を増やすことと定期的に運動することを提案しました。
浪人生という立場で、勉強量を抑えるというのは、本人にとっても辛かったと思いますが、その焦る気持ちをカウンセリングで受け止めながら、良い畑(脳)を作ることに専念しました。
不安と向き合う
彼は、次から次へと不安を口にしました。
その都度、丁寧に、1つ1つの不安について話しを聞き、解決策を2人で考えました。
若い彼には、世間には分からないことが多く、これからの人生を考えるとき、不安のタネは尽きなかったのです。
私は若い彼と、人生についてたくさん語り合いました。
不安はどこから来るのか。
そうすれば対処できるのか。
人生には不安がつきものであること。
であるからこそ、希望を持つことが大切だということ。
そうして沢山の不安と向き合っていくうちに、彼は自分がわざわざ不安のタネを探していることに気がつきました。
その頃から、彼は不安とどのように付き合えば良いのかがわかるようになって来ました。
自分で不安感をコントロールできるようになって来たのです。
さくらが咲いた
その後はドンドン調子を上げ、集中して勉強できるようになりました。
本番を迎える頃には、調子は悪くないとはっきりと言うようになりました。
そして昨日、複数の大学に合格してどの大学を選べばよいかという贅沢な悩みについて、カウンセリングを行いました!
それが、彼との最後のカウンセリングになりました。
本当に長い一年でした。
彼には辛い一年だったと思います。
でも、良い結果で終われて本当に良かった。
合格おめでとう!
最後に彼は、「また整体を受けに来ても良いですか?」と言いました。
私は「もちろん!」と答えました。
すると最高の笑顔を見せてくれました。
本当におめでとう!
これから、素晴らしい人生を歩いて欲しいと思います。
まるで、卒業していく生徒を見送る先生のような心境になりました。
嬉しいような寂しいような、でも、暖かい気持ちで満たされました。