精神疾患は症状で分類される珍しい病気である-自分と向き合うことの大切さ

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こんにちは!
BBトレーナーの渕脇です。

精神疾患と他の病気との大きな違い

うつ病は精神疾患の一つですが、精神疾患というのは、他の病気と決定的に違うところがある、というのをご存知でしょうか。

精神疾患以外の病気は、不調になっている臓器の名前とその原因によって診断名が決められています。

例えば、脳梗塞であれば、脳の血管が詰まって脳の一部が機能しなくなるという病気ですよね。

ところが、精神疾患は、その症状がどんな症状なのかで病名が付けられます。

例えば、「うつ病」は、抑うつ状態が2週間以上継続して続いているという「状態」を表しています。

頭痛に例えると

これは、例えば「頭痛」のようなものです。

頭痛は、「頭が痛い」という「状態」を表すもので、「疾患名」ではありません。

「頭痛」という症状を引き起こす病気には、「筋緊張性頭痛」「片頭痛」「くも膜下出血」など、いくつもの疾患があります。

「うつ病」は、「抑うつ状態が2週間以上続く」症状に名前がついているだけなので、その原因は様々なのです。

よく、うつ病は脳の病気だから病院に行って薬を飲まなければ治らない、という論調の意見を耳にすることがあるのですが、そうとは限らないのです。

原因がわからない

どうしてこのようなことが起こるかと言えば、原因が特定できていないからです。
つまり、発症のメカニズムがわからない。

発症のメカニズムがわからないから、どうしてもその症状を緩和する「対症療法」にしかならないのです。

でも、根本的に治そうとするならば、原因を取り除くことが必要になりますよね。

しかし、西洋医学の手法では、その原因にたどり着けていないわけです。
それが、精神疾患の難しさであり、得体のしれない所なのです。

ストレスが原因の場合が多い

しかし、経験的に「ストレス」に起因することが多い、ということは言えそうです。

もちろん、脳の機能が低下しているという、気質的な問題が見られることもあります。
しかし、脳の機能に問題が見られる場合でも、どうしてそういう機能低下が起きたのか、と考えていくと、やはり「ストレス」に問題がある可能性が高いわけです。

さらに言えば、「ストレス」にも、いろいろな種類のものがあります。

私が考える「ストレスの種類」は、大きく分けて二つあって、

1)生理的なストレス
2)心理的なストレス

です。

生理的なストレスというのは、たとえば、長時間労働やそれによる睡眠不足などによる極度の疲労です。
心理的なストレスは、たとえば、人間関係の悩み、自信の無さ、将来に対する不安、ものの見方、受け止め方、トラウマなどです。

そして、この二つが密接に絡み合っている「混合型」などが考えられます。

原因が、生理的なストレスだけであれば、休養をとることで回復します。
しばらく仕事を離れて、薬を飲んで疲労を回復させればいいのです。
このケースは、比較的簡単に良くなります。
その後、同じような状態にならないように、気をつけて生活すればいいのです。

心理的ストレスは取り除かなければいけない

しかし、心理的なストレスが原因の場合には、心理的な対処をしなければいけないので、ただ単に休んでいるだけでは良くなりません。

原因が取り除けていない場合は、なかなかすっきりとは回復しません。
場合によっては、何年とかかることもあるのです。

心理的なストレスが原因の場合、対処の方法は人によって違います。
ひとりひとり、個別に対処しなければ、解決できないわけです。

この場合、一日に何十人という人を一人で見ているような医師には、そういう対応は不可能なのです。
医療保険制度的にも、時間的にも、医師にそれを求めるのは酷なのです。

まずは自分を知ること

心理的な問題で精神疾患になっているという自覚があるなら、その原因を探ることから始めなければいけません。

多くの場合、モノの見方や受け止め方に問題があります。

自分がどのような受け止め方をしているのか、その癖を知ることが、問題を解決する第一歩になります。

そのためには、自分と向き合う、ということがどうしても必要になります。

自分一人でそれをやるのは、難しいかもしれません。
そのようなときには、ぜひ、カウンセリングを受けることをお勧めします。

適切なカウンセリングを受けることで、自分と向きあうことができるようになります。

自分と向き合うことができるようになれば、自分の受け止め方の癖がわかるようになり、それを修正することができるようになるのです。

以上が、精神疾患の難しさです。

個別に対処しなければいけないのはどの疾患も同じ

これは、うつ病だけではなく、統合失調症も、パニック障害も、強迫神経症も同じだと、私は考えています。

ですから、その症状を抑えることにフォーカスするのではなく、その原因を取り除くことにフォーカスしていくのです。

薬は症状を抑えるモノですので、これを有効に使いながら、一方で原因に直接アプローチしていくことが大切です。

薬を飲んでいればいつか治るだろう、と考えていると、いつまでも治らない、あるいは、何度も再発してしまう、とういことが起こるでしょう。

ですから、自分と向き合うということが、とても大切なことなのです。