こんにちは!
カウンセラー整体師の渕脇です。
つい先日のこと、とある人から、
「傾聴で大切なことは何ですか?」
という質問を受けました。
私は、「共感です」と答えました。
しかし、この共感というのが難しいという話をしました。
「共感」と「同感」の違い
共感いうと、誰かの話を聞いていて、
「あー、その感じわかるなあ。
自分にもそういう経験あるもの。
わかる、わかる!」
っていう事だと思っている人が多いですが、これは「共感」ではありません。
自分の経験に照らし合わせて、分かったつもりになるのを「同感」といい、「共感」とは似て非なるものです。
こういう話をさせていただきました。
えー!
それって「共感」じゃないの?
「わかるなあ、その感じ!」って、まさに共感でしょう?
違うの?
そんな風に思いますよね。
私も、はじめてこの話を聞いたときに、そう思いました。
このことについてちょっと説明しますね。
感じ方は人によって違う
自分の過去の経験に照らし合わせて、その人もきっとあの時の自分と同じように感じているんだろうなあ、と理解する。
こういうことってありますよね。
でも、その感じ方って、あくまでもあなたのケースでのあなたの感じ方であって、その人が同じように感じたかどうかはわかりませんよね。
それで、解った気になっていると結構危険です。
話し手からすると、「いや~、ちょっと違うんですけど。。」って思っているかもしれません。
そういうニュアンスじゃないんだよねえ。って。
で、早合点して分かった気になって話を進めてしまうと、「この人はちゃんと聞いてくれないなあ」、という気分になります。
これって、話し手の経験を聞き手の経験にすり替えてしまっているだけなんですよね。
こういうのは、共感とは言えないわけです。
それは誰の経験なのか
聞き手の経験は、あくまでも聞き手のものであって、話し手のものではない。
そこを混同してしまっているわけです。
純粋に話し手の経験を聴くのが傾聴であって、純粋に話し手の感覚を感じようとすることが「共感」という行為なのです。
もちろん、聞き手の経験は、話し手に共感するための参考にはなるかもしれないけど、それで分かった気になっていてはダメなんです。
話し手の感覚を、なるべく忠実に聴こうとすることが「共感的態度」ということです。
人はそれぞれ独自の色眼鏡をかけている
人はみんな、自分の色眼鏡を通して世界を見ています。
ところが多くの人は、その色眼鏡の存在に気が付いていないのです。
話し手に共感するということは、話し手の色眼鏡を通して見える世界を知ろうとすることです。
ちょっと、あなたの眼鏡貸してください。
ほー、あなたの見ている世界はこんな感じなのですね。
なるほど!
と理解しようとすることが「共感」です。
かつて自分の眼鏡を通して見た記憶と同じてあると思うのが「同感」です。
自分の眼鏡を通してみた世界と、話し手の眼鏡を通してみた世界が同じとは限らない。
そのことを解っていなければ、共感は出来ないわけです。
自分の色眼鏡を知る
さらに言うと、話し手の色眼鏡を借りてその世界を覗くためには、自分の色眼鏡を一時的に外す必要があるわけです。
ということは、自分がいつもかけている色眼鏡がどんな眼鏡なのかを知っていなければ外すことが出来ないわけです。
つまり、自己理解が出来ていなければいけないということです。
カウンセラーは、自分の色眼鏡をはずしてクライアントの話を聞き、クライアントがどんな色眼鏡をかけているのかを教えてもらおうとしているわけです。
そうして、なるべく同じ景色を見ようとするのです。
私にはこう見えるけど合ってますか?と確認しながら、話を聞いていくわけです。
どうですか、「共感」と「同感」の違い、分かっていただけたでしょうか?
この違いをわかっている人は、そんなに多くはないと思います。
本物の傾聴が出来る施術者を増やしたい
傾聴が大事だ、共感的に話を聞くことが大切だと、いろいろなところで言われています。
でもね、実際はとても難しいのです。
そのスキルを手に入れるには、かなりの訓練が必要になります。
私もまだ、気を抜くと「同感」していることがあります。
これは本当に奥が深い。
だから、しっかりと訓練する必要があるのです。
私は、本物の「傾聴」ができる施術者を育てようと思っています。
本物の整体の施術と、本物の「傾聴」。
さらにその上の、カウンセリング技術も持ち合わせた、本物のセラピスト。
そういう人を沢山育てて、世に送り出したいと思っています。
そういうスクールを始めます。
整体とカウンセリングの技術を習得すれば、ココロとカラダの両面からアプローチすることが出来るようになります。
整体の技術とカウンセリング。
両方の技術を同時に学ぶことが出来る。
そういうスクールです。
今は試験的に講義をしていますが、やがて本格始動します。
興味ある方はぜひ、ご連絡ください!