労働時間短縮はチームで達成する

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 0

こんにちは。
BBトレーナーの渕脇です。

日本の労働者の意識が変わらない

働く人たちのメンタル疾患が問題になっています。
この傾向は、もうずっと続いていますよね。

私がうつ病になった20年前は、まだまだうつ病に対する認知度も低く、心療内科という診療科目が一般的ではありませんでした。

その後、抗うつ薬のセロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)のキャンペーンを経て、うつ病に対する関心が高まり、その予防や対策など、労働環境も整ってきているのにもかかわらず、患者が減るどころか増える一方です。

その原因はいろいろとあると思いますが、その一つに、労働環境は変わったけれど、労働者の意識が変わっていない、というのがあるのかなあと思います。

ブラックジョーク

私が会社を辞める前の話ですが、私が九州の営業所にいたころ、親会社の営業に、私と同い年くらいの、大学時代に水球をやっていたというガタイのいいナイスガイがいたのです。

私が東京に転勤になってから、半年くらい会っていなかったのですけど、私が九州に出張で戻ったときに、久しぶりに会ったら別人のようになっていてびっくりしたことがありました。

ガタイの良かった彼が、げっそりと痩せていて、表情も覇気がなくて、ナイスガイの見る影もなかったわけです。

びっくりして、「どうしたの!」って声を掛けたら、力なく笑うだけ。
そしたら、隣にいた彼の先輩が、こう言って笑ったんです。

「いやー、こいつ、胃潰瘍になって入院してたんだよ。これでこいつも一人前だよ。」

それを聞いて、私はゾッとしました。

いやもちろん、ブラックジョークだってことは解っていますよ。
その先輩が本気でそんなことを言ったのではない、ということもわかっています。

でも、ブラックジョークって、心のどこかでそういう風に思っているところがないと、ジョークにならないと思うんですよ。
そいう共通認識があるという前提でしか、ジョークにならないじゃないですか。

つまり、サラリーマンの共通認識として、「身体を壊すまで働いて一人前」というジョークが成立するという感覚がある、という事実に気が付いたわけです。
そこにゾッとしたわけです。

そういう感覚というのは、今も変わっていないし、もしかすると、当時よりもひどくなったような気さえします。

バブルが崩壊して、リストラの嵐が吹き荒れて、人材が流動化したとはいえ、非正規雇用が増え、ブラック企業が話題になっている昨今ですから、制度的には整ってきているとはいえ、環境は厳しくなっているような気がします。

形だけの働き方改革ではダメ

そんな中で、政府は、働き方改革ということを言い出しました。
政府が掛け声をかけるということはとてもいいことだと思います。

残業時間を制限して(もちろん、もともと制限されているんですけど、形骸化していたわけです。)ノー残業デーを設けたり、プレミアムフライデーなんてのを広めようとしています。

しかし、掛け声だけでは改革は出来ません。
どうやって時短を達成するか、その中身を示すことが出来なければ、結局は机上の空論で終わってしまいます。

私も、仕事がら、健康管理のために、睡眠をとりましょうとか、運動をしましょうと、クライアントの声をかけるのですが、毎日終電で帰ってくると様な生活をしている人には、そもそも、睡眠時間さえまともに確保できていない状況です。

個人で出来ることは限られる

どうしてそうなるかといえば、個人で工夫できる範囲は限られているからです。

たいていの場合、仕事はチームで動きますし、そのチームの空気というものがあります。
また、仕事は相手のある話ですので、個人の裁量でコントロールするのは難しいという側面もあります。

もちろん、周りの目を気にせずに、どんどん仕事終わらせてさっさと帰ればいい話なのですが、そうもいかないこともあるでしょう。

評価方法の問題

それから、評価の問題です。
働いた時間に応じて賃金を払うという会社が多いのが事実です。
そうなると、働けば働くほど、お金がもらえるというシステムです。

特に、残業に関しては、そういう体系になっているところが多いですよね。
ですから、沢山残業したほうが、沢山お給料をもらえる訳です。

沢山の仕事を抱えて、長時間仕事をすると、頑張っているとみなされ評価されるという風潮があります。
その風潮が、先のブラックジョークを生むのです。

しかし、会社の側から見れば、残業せずに利益を上げてくれる社員が良い社員のはずですよね。余計な残業をしないのですから、残業代も発生しないし、その分電気代などの経費も掛からない。
それこそが優秀な社員のはず。
それなのに、だらだと仕事をして、残業をたくさんしたほうが、沢山お給料をもらえるというのであれば、頑張ろうという気にはならないはずですよね。

ただ、評価体系を変えていくというのは、会社全体で取り組まなければいけないから、なかなかハードルが高いかもしれません。

チームで取り組む

もうちょっとハードルを下げると、チームごとに協力して時短に取り組むというのもアリですね。

人間の集中力というのは、そもそも8時間も持つことは無いじゃないですか。
集中できるときに、重要な仕事を効率よく終わらせるために、チームで協力し合って取り組んでみるのです。

そうして残業時間を削減しつつ、成果を上げていく。
そういうチームが社内に現れると、他のチームが真似をしたり、会社が動き始めることも考えられます。

残業時間を削減すれば、会社のためにもなるし、自分のためにもなるのは明白です。
会社は経費削減になり、自分のプライベートも充実するし、健康管理も出来ます。

会社の意識が変われば、評価も上がって、経費を削減できた分、給料に反映されるようになるかもしれません。
そうなれば、労働時間は減っても、お給料は変わらないどころか、上がるかもしれない。

具体的にはどうすればいいのか、というのは、先日このブログでもご紹介した、石川和男先生の著書を参考にしてみてください。

チームで協力し合って、残業を減らすための知恵がぎっしり紹介されています。

何のために働いているのか

私たちは、何のために生きているのか。
何のために働くのか。

働くために生きているのではありませんよね。
生きるために働いているわけです。
せっかく生きているんですから、充実した人生を送りたいし、やりたいことをやりたいし、幸せになりたいじゃないですか。

人生のほとんどを仕事に追われて生きるなんてもったいないと思いませんか。

まずは、チームから始めてみてください。
個人でやるよりも、もっと効果的に時間を節約できるようになりますよ。