こんにちは。
BBトレーナー渕脇です。
先日、私の大学の先輩がFacebookにアップしていた本。
ああ、この本読んでみたいなあ、と思ってアマゾンでポチって、昨日読みました。
芸人で”絵描き”のジミー大西さんをご存知でしょうか。
そのジミーちゃんこと、ジミー大西さんをモデルにした小説「Jimmy」を読みました。
芸人の世界の人情に癒される
原作はジミー大西さんを世に出した、あの明石家さんまさん。
小説仕立てになっているけれど、どこまでがフィクションでどこまでがノンフィクションなのかわかりません。
おそらく、ほぼノンフィクションなのだろうと想像できます。
吉本興業の芸人の世界がイキイキと描き出されています。
世間ではうまく生きていけないような個性的な人たちが集まって、まるでおもちゃ箱をひっくり返したような賑やかな世界を作り出している様子が良くわかります。
そんな中にあっても、主人公の大西は何をやっても失敗ばかり。
吉本興業に入ったのも、芸人になるためにではなく、裏方のお手伝いのためでした。
ところがそんな大西の前に、売れっ子芸人の明石家さんまが現れるのです。
さんまにあこがれた大西は、少しでも長くさんまのそばにいたいと、ただその一心でさんまについていこうとするのですが。。。
世間ではうまく生きていけないジミーちゃんですから、当然のことながら、芸人の世界でもうまく行きません。
数々の失敗を繰り返し、何度も首になりそうになるジミーちゃん。
そんなジミーちゃんのをことをいつも気にかけて、何とか彼が生きていけるように考えているさんまさんと、さらには芸人仲間の関係が何とも温かい。
そんな温かさに、何度も涙腺が崩壊しそうになりました。
人にはそれぞれ持って生まれた才能がある
人生のスタートラインは、決して平等ではありません。
才能豊かなさんまとは対照的に、大西は何をやってもうまく行きません。
でも、これは仕方がない事なのだと思います。
みんな顔が違うように、背の高さが違うように、持って生まれたものが違うのです。
さらには、どんな家に生まれたか、経済状態も家族構成も、全部違います。
結局、スタートラインが違うんですよね。
それはもう、受け入れざるを得ない厳然とした事実です。
ですから、人生というのは平等ではないんです。
だから、なりたい自分に必ずなれるとは言えない。
努力すればなんにでもなれるというのは嘘だと思います。
しかし、なんでもチャレンジしてみなければわからない。
自分にはもしかしたら、まだ気がついていない才能があるかもしれない。
ジミーちゃんはその後、とある番組の企画で絵を描くことになります。
それまで、自分でも絵の才能があるなんて全く気がついていなかったジミーちゃん。
しかし、その番組で画の才能が発掘されることになるのです。
いつどこで、自分の持っている才能に気がつくかなんてわからないモノなのです。
人との出会いが人生を変える
彼の人生に大きな影響を与えたのは、間違いなく明石家さんまさんでしょう。
さんまさんとの出会いが無ければ、ジミーちゃんが絵描きになることは無かったかもしれません。
そして、さんまを慕い、その姿を追い続けるジミーちゃんの純粋な情熱もまた、彼の人生を変えたと言ってもいいと思います。
もし彼が、人気者のさんまさんに遠慮して、なにも行動を起こさなかったとしたら、やはり失敗ばかりの人生で終わってしまったかもしれません。
人は、人の中でしか生きていけないし、それが人生というものです。
人との出会いが人生を変えていくのだということを、この物語を読んで実感しました。
キャンバスからはみ出しなさい
この本の中には、あの岡本太郎氏がジミーちゃんの絵をテレビで見て、手紙を送ったというエピソードが紹介されています。
その内容がこちら。
前略、ジミー大西君。四角い枠にとらわれるな。キャンバスからはみ出しなさい。岡本太郎
「キャンバスからはみ出しなさい。」って、岡本太郎氏らしい素晴らしい言葉ですよね。
私自身も、この言葉にしびれました。
絵の道に進むか、芸人を続けるのか。
苦悩するジミーちゃんの背中を押したのが、この言葉です。
実は、ジミーちゃんは小学生のころから岡本太郎氏の絵にひきつけられていたのです。
やはりそういう感性を生まれながらに持っていたのです。
それが、彼自身が気がつかなかった才能の片鱗だったということなのです。
自分の才能には、案外気がつかないものなのかもしれませんね。
勇気をくれる本
この本を読んで、私自身も勇気をもらいました。
芸人の世界も、絵描きの世界も、他人と違うことが求められます。
でも、多かれ少なかれ、どんな世界もそうなのですよね。
ところが、多くの場合、他人と同じことをしようとする。
そのほうが安心だから。
でも、本当に自分らしく生きていこうとするなら、他人と違うということを気にしてはいけないし、むしろ違うところを探すくらいでなければダメなのです。
それこそ、「キャンバスからはみ出す」ようなことを考えるほうが良いのかもしれない。
ジミーちゃんのはみ出し方も半端ではありませんが、明石家さんまさんも、岡本太郎氏も、半端ではありません。
はみ出さないよう生きてくのは窮屈です。
今は、そんな人が多いような気がします。
むしろはみ出すくらいがいい。
そんな気にさせてもらいました。
素晴らしい本をありがとうございます。
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