こんにちは!
カウンセラー整体師の渕脇です。
今日は整体師らしい話を一つ。
先日、私がいつもお世話になっている徳本昌大さんにお会いしました。
徳本さんは、書評ブロガーであり、複数のベンチャー企業で顧問を務め、多数の著書をお書きになっている方です。
過去にアルコール依存症を克服した経験があり、健康には人一倍気を使っていらっしゃって、日頃から良く歩いているという方です。
走りはじめたら膝を痛めた
その徳本さんが、膝が痛いとおっしゃる。
右膝が痛くて、夜中に目が覚めることもあると。
それはかなりひどい状態なので、しばらくは走らないほうが良いですよとアドバイスさせていただきました。
最近、走り始めたという話は聞いていたので、きっとそれが原因だろうとご自分でもおっしゃっていましたし、私もそう思います。
こういう場合は、身体の声を聞いて、無理をしないのがいちばんです。
ここで無理をして余計にひどい状態になるのは避けたほうが賢明です。
とまあ、ここまでは誰でもが思いつくところです。
整形外科の医者でさえも、この程度のアドバイスで終わってしまうことがほとんどです。
スポーツで痛めた。⇒使いすぎ。⇒休みなさい。
こんな図式です。
でも、これでは問題を解決できません。
なぜなら、膝が痛くなった原因について、何も明らかになっていないし、その解決方法が示されていないからです。
休むだけでは解決にならない
私はトレーナーであり整体師として生きてきました。
自分でもランニングをやっていますし、多くのランナーにアドバイスをしてきました。
ここで終わっては走る整体師としての名がすたる(笑)
整体師として気になるのは、どうして左膝ではなく右膝が痛いのか。
走っているわけですから、左膝も同じように使っているはず。
それなのに、右だけ痛くなるのはおかしいですよね。
これは、単純に「使いすぎ」だけでは説明がつきません。
それから、どうすれば、徳本さんがもっとバリバリと走れるようになるか。
という問題です。
これだけの多くの人がランニングを楽しんでいるのです。
徳本さんに出来ないはずがありません。
このまま膝の問題を抱えていたのでは、走れるようにはならない。
そこを解決しなければいけないのです。
身体には正しい使い方がある
徳本氏の立ち方や歩き方を観察すると、つま先が外を向いていることに気が付きました。
しかも、痛いと言っている右側のほうが左側よりもさらに外に開いています。
右膝が痛い原因はここにある可能性があります。
膝という関節は、少し曲げた状態ではねじることが出来ますが、伸ばした状態ではねじることが出来ません。
つま先が外を向いているということは、膝にねじれが生じているということです。
歩いている時には問題が無いほどのわずかなねじれでも、走り始めた時に問題になることは少なくありません。
そこで、つま先の向きを進行方向に向けて、その方向に膝が動くように意識してくださいとアドバイスしました。
進行方向とつま先の向きと膝の向きが揃うことで、ひざの関節にかかる負荷を最小限に抑えることが出来るようになります。
また、つま先が外を向いていると、足の親指にばかり負担がかかってしまいます。
つま先を進行方向に向けることで、五本の指を均等に使うことが出来るようになります。
これによって、親指の付け根が痛む種子骨障害や外反母趾、足首内側に倒れてしまい痛み出すオーバープロネーション、足の骨格の持つアーチが崩れてしまう偏平足や開帳足、それが原因で起こるモートン病など、さまざまな足の障害を予防することが出来ます。
スポーツ障害には、身体の使い方が間違えているという原因が潜んでいます。
つまり、フォームが悪いのです。
フォームの修正無くして、スポーツ障害の克服はあり得ない。
私はそう思っています。
フォームを修正しなければ、いくら休んだところで、トレーニングを再開すればまた同じ個所を痛めてしまいます。
原因を取り除かなければ、症状だけを抑えても、何も解決しないのです。
身体には正しい使い方というのがあるのです。
メンタル疾患にも通じる話
私自身も、過去にたくさんのスポーツ障害を経験してきました。
そして、医者に行けば、やり過ぎだ、休めと言われる。
それはわかっている、でも、それ以上のアドバイスが欲しいと思っても、それをしてくれる人がいないという経験をしてきました。
休んでいる間に出来ることは無いのか。
どうして、そこが痛くなるのか。
このような状態にならないような予防方法はないのか。
そういうことが知りたいと思っていたのです。
そう思っていたから、整体に興味を持ったというわけです。
これは、メンタル系の疾患に通じることだと思います。
うつ病になったら抗うつ剤を飲んで休む。
多くの人が、医者でさえもそれしかないと思っていますが、それだけじゃ治らないと私は思っています。
むしろ、抗うつ剤は必ずしも必要ではなく、原因を取り除くことのほうが大切であると、私は思うのです。
膝の痛みを治すのに、フォームを修正するのが必要なのと同じです。
抗うつ剤は、膝の痛みを抑える鎮痛剤と同じ役割です。
鎮痛剤が必ずしも必要ないのと同じで、抗うつ剤も必要ありません。
いつもお世話になっている徳本さんのお役に立てて本当に良かったです。