こんにちは!
BBトレーナーの渕脇です。
うつ病は生活習慣病である!
先日、とあるセミナーの後の懇親会の席上で、「うつ病は生活習慣病です」という発言をしたら、とても驚かれました。
やっぱり多くの人は、うつ病が生活習慣病だという認識がないということを改めて感じました。
「うつ病は心風邪」という言葉が、あまりにも浸透しすぎてきているので、何か得体のしれない病原菌に感染してしまうようなイメージを持っているのだと思います。
そもそも、「うつ病は心の風邪」という言葉は、SSRI(セロトニン再取り込み阻害剤)というタイプの抗うつ薬が日本で認可されたとき、これを売り出したい製薬会社が仕掛けた一大キャンペーンに使われたキャッチコピーです。
このキャンペーンは大成功して、SSRIはその後、大量に売れ続けています。
「治る」とはどういうことか
風邪というイメージだと、「治癒」は元の状態に戻る事をイメージします。
確かに、風邪のような感染症であれば、それまでの日常の生活が出来るようになることが、「治る」ということです。
これをうつ病に当てはめるとどうなるか。
毎日終電まで働いていた人がうつ病になった場合、また、終電まで働けるようになることが「治る」というイメージになってしまいます。
あるいは、自分の人生に悩んで、今の仕事は自分を裏切っていると感じて仕事を続けられなくなった場合、その仕事に戻る事が「治る」ということになってしまいます。
それは考えただけでも辛すぎるし、そんなことしたら、治るものも治らなくなるのは明白です。
うつ病の再発率が高いのは、これが原因です。
元の生活に戻る事を目指すこと自体が間違えているのです。
これは、うつ病が生活習慣病であると考えると説明がつきます。
生活習慣に問題があるわけですから、元の生活習慣に戻れば、またぶり返すのは当たり前ですよね。
こころの生活習慣を変えることでしか、生活習慣病を治すことは出来ません。
このことを解っている人が少なすぎる。
うつ病がなかなか治らないのはそのためです。
そのことが問題なのです。
うつ病は人生の転換点でやってくる
うつ病の時は、重大な決断はしないほうが良いと言われます。
確かに、冷静な判断力がない場合がありますので、場合によってはそうかもしれません。
しかし、うつ病はある意味で、人生の転換点という側面があります。
人生の転換点に差し掛かったからこそ、悩みや不安があふれ出て、抑うつ状態になっているわけです。
こういう場合は、あらゆる可能性を否定せずに、冷静に判断することが必要です。
冷静に判断できるのであれば、人生の転機であることは間違いありません。
冷静な判断が出来るようなサポートが必要
うつ病の渦中いる場合、先に挙げたように冷静な判断力が低下しているケースもあるので、そのサポートをする第三者が必要になります。
つまり、冷静に客観的な視点でサポートする人が必要になります。
その役割を担う人は、自分の個人的な価値観を脇において、完全に本人の意向に沿える人でなければいけません。
そのため、なるべくなら、本人と利害関係のない人が望ましいのです。
その役割のになっているのが、カウンセラーをはじめとする、それぞれの専門家なのです。
変化しなければうつ病は克服できない
うつ病の場合、元の状態に戻ることが「治る」ということではありません。
これまでの考え方、受け止め方、価値観を変える。
働き方を変える。
人生を変える。
場合によっては、仕事を変える、人生を変えることも必要になります。
いづれにしても、重大な局面にあるということは間違いありません。
こういう事を、多くの人に知ってもらいたい。
うつ病は人生の悩みです。
人間が太古の昔から悩み続けてきた問題です。
それを、「風邪」に例えてしまっている時点で間違えているのです。
クスリで治ると思っている時点で間違えているのです。
クスリは症状を軽くするだけです。
それは、無駄ではありません。
しかし、それだけでは治らない。
人生と真剣に向き合うことでしか治らない。
そのことを、解ってもらいたいと思います。