こんにちは!
BBトレーナーの渕脇です。
精神疾患が増えている
近年のうつ病患者をはじめとする精神疾患にかかる人の増加は目を見張るものがあります。
2016年の厚生労働省の発表によると、うつ病などの気分障害の患者は111万6千人、統合失調などの妄想性障害の患者は77万3千人。
合計すれば、188万9千人となります。
日本の人口を1億2千7百万人とすると、67人に1人は何らかの精神疾患にかかっているということになります。
確かに、実感としても、あちこちでうつ病の話を聞きます。
もはや、うつ病をはじめとする精神疾患は珍しい病気では無くなりました。
国民の15人に一人は、一生のうちに一度はうつ病を経験するとも言われています。
どうしてここまで患者数が増えたのか。
もちろん、いろいろな要因が重なっていて、その原因を一つに絞ることは出来ないと思います。
しかし、私自身のうつ病経験から教育にも問題があるのではないかと、私は思ってます。
学校は理想を教えるところ
私の父は、高校で英語の教員をしていました。
私の母は、小学校の校長先生の娘であり、私の親戚には教師がゴロゴロいるという、教師一家でした。
そんな環境で育った私が感じていることがあります。
もちろん、時代背景などもあるので一概には言えませんが、私は、現在の教師というのは理想を教える仕事だ、と思っています。
しかし、社会生活を送る上では、理想的に行かないことも沢山出てきます。
理想を教えるばかりでは、理想と現実のギャップを埋めることが出来なくなります。
そこでつまづく人も出てきます。
まだまだ未熟な子どもたちですから、社会で生きていくための基本的なスキルは身に付けて行かなければいけません。
子どもたちにとって必要なのは理想ではなく、社会生活を送るために必要な知識であり、スキルだと思います。
さらにいうと、理想というのは、一つの価値観にすぎません。
そして、その教えられた価値観に苦しむ人が沢山いる。
純粋で素直で真面目な人ほど、子どもの頃に学校で教わった理想が正しいと感じてしまいます。
そして、その価値観に縛られていきます。
かつての私自身が、そうであったように。
多様な価値観を育む
人によって理想というのは違うものです。
学校で教える理想が普遍的なものということはありません。
本来ならば、多様な価値観を育む必要があると思うのですが、今の学校というシステムでは、それがどうしても偏ってしまう。
もちろん、多様な価値観を育むには工夫が必要だし、そのためにはシステム自体を変える必要があるかもしれません。
これはかなり難しいだとは思います。
しかし、これだけ社会の変化が激しい世の中になっているのですから、柔軟性というものが求められています。
柔軟性を持たせるには、多様な価値観がある事や、自分の頭で考えて自分の価値観を決めてもいいということ、自分で決めたことには自分で責任を持つことを教える必要があるのではないかと思います。
自分の人生を歩むには
人から与えられた価値観に沿って生きるということは、他人の人生を歩いているということになります。
この場合、自分の価値観とのギャップがその人を苦しめます。
さらに問題なのは、人生がうまく行かなくなったときに、それを他人のせいにしてしまうということです。
誰かの価値観に従って生きてうまく行かなくなった時、その責任をその誰かのせいにしてしまうのです。
これでは、その問題を解決することが出来なくなってしまいます。
自分の価値観に沿って、自分の人生を歩いていてうまく行かないのであれば、それは自分の責任であるわけだし、解決するのも自分であると、素直に思うようになります。
自分の人生の責任は自分が負っている。
こういう感覚を育ててくことが、大切なのだと思うのです。
教えるのは理想ではない
日本人のうつ病を減らすには、まずは教育を変えていく必要があると感じています。
子どもたちには理想という名の一つの価値観を教えるのではなく、現実の社会を生きて、より自分らしい人生を送るためのスキルを教えてほしいと思います。
自分の特性を知り、自分の頭で考え、自分で選択し、自分で解決できる。
そういう人を育てる必要があると思うのです。
もちろん、これは学校だけの責任ではありませんよね。
教育は、学校だけの仕事ではありません。
親はもちろん事、子どもたちにかかわるすべての人たち、社会全体の問題だと思います。
子どもたちに教えなければいけないことは何か。
それは理想ではなく、現実を生き抜くためのスキルだと思います。
そして、世の中には多様な価値観がある事、自分の価値観で生きていいこと、自分の人生は自分のものであって、自分の責任で生きていくこと。
そいうことを教えていかなければいけないと思います。