こんにちは!
BBトレーナーの渕脇です。
昨日はBBトレーナー養成講座0期生の講習会を行いました。
BBトレーナーは、BrainとBodyのトレーナーですので、整体術やトレーニングなどのフィジカルトレーナーとしての技術はもちろん、カウンセリングやコーチングといったメンタルトレーナーとしての理論や技術も学びます。
昨日は、メンタル面についての講義を行いました。
お題は、アダルトチルドレンです。
アダルトチルドレンとは
アダルトチルドレンは、元々は、アルコール依存症患者の家庭で育った子どもたちが、ある共通する特徴を持っていることから、アルコール依存症患者の子どもたち、という意味で使われていた言葉です。
ところが、研究が進むに連れて、アルコール依存症患者の家庭だけではなく、虐待やDV、親の不仲など、家庭に何らかの問題があった人たちにも共通の特徴があることが分かってきて、今では、機能不全家庭で育った人たち全般に使われるようになりました。
ところが、完璧な人間などいないように、完璧な家庭など存在しないといっても過言ではありません。ですから、ほとんどの家庭は機能不全家庭ということになり、程度の差こそあれ、多くの人がアダルトチルドレン的な問題を抱えていると考えられます。
かくいう私も、アダルトチルドレンとしての特徴を持っています。
ですから、アダルトチルドレンについて学ぶことは、私にとって、自分を理解するうえで、とても重要なのです。
家庭は安全地帯でなければいけない
小さな子どもは、親に依存してないければ生きていけません。
自分一人で生きていく能力がないために、親に見捨てられるということは、生きていけないということを意味します。
子どもにとって、家庭とは世界そのものなのです。
その家庭の中で、日常的に暴力や虐待が行われている場合、子どもたちはその中で生き残るために、様々なテクニックを身に付け、自分の存在意義、セルフイメージなどを構築していきます。
常に、身の危険におびえている状態なので、親の顔色をうかがい、親のいう事には服従していきます。
自分の意見や感情を押し殺して、コントロールしようとします。
親に愛されていないと感じると、自分は愛される価値のない人間であると思うようになります。
○○が出来るからと褒められ、××が出来ないからと叱られる、ということを繰り返してくと、ある条件を満たせれば自分には価値があり、それが出来なければ価値がないと思うようになります。
このような状況下では、自己肯定感を持つことが出来なくなってしまいます。
無条件に愛される存在である、無条件に存在価値がある、私は私のままでよい、という感覚を持つことが出来なくなってしまいます。
子育てで最も大切なのは自己肯定感を育てること
自己肯定感とは、ありのままの自分で大丈夫、という感覚です。
この感覚さえあれば、どんなに苦境に陥っても、たくましくそれを乗り越えて行けるようになります。
条件付きの自信では、その条件が満たされなくなると途端に自信を失い、生きる気力が無くなってしまいます。
自分を責め、生きる自信を失い、絶望するのです。
自己肯定感を育てるには、家庭に安心感が必要です。
自然体の自分でいてもいいんだ、という場所で育つことが大切なのです。
当然のことながら、弱音を吐いたり、怠けたり、甘えたりしていてもそれが許される。
そういう弱い面を持っているのが人間であり、弱い面を持っているからと言って存在を否定されるものではないということを、体感的に解っていることが大切です。
怠けたり、弱音を吐いたり、ありのままの自分でいることを許されない環境で育つと、弱い面を持っていることはダメなことであると認識して、自分のそういう部分を嫌悪するようになるのです。
すると、自分の事を好きになれない、自分を肯定できない、自分で自分にダメ出しをするようになってしまいます。
自分は自分の最大の理解者
心病む人の話をたくさん聴いていると、人は自分で自分を責めて苦しむんだということがよくわかります。
自分で自分を責めて苦しんでいるということは、自分の中に自分の敵を内包しているということです。
ゴールキーパーが自分のゴールに向かってボールを蹴っているようなもので、自分以外の人はそれを止めることは出来ません。
親であろうと、パートナーであろうと、親友であろうと、カウンセラーであろうと、自分で自分を傷つけている人を救うことは出来ないのです。
自分は自分の最後の砦なのです。
自分の最大の理解者にならなければいけないのです。
自分を救うことが出来るのは、自分以外にはいないのです。
アダルトチルドレンを育てている?
自分で自分を責める人は、周りから責められて育ってきた人です。
もっとこうしなさい、ああしなさい。
だからお前はダメなんだ。
まだまだ、おまえは甘い。
お前は何もわかっていない。
親のいう事を聞いていればいいんだ。
○○が出来たら褒めてあげる。
それが出来ないやつはダメなやつだ。
世の中の親は、躾や教育という耳触りの良い言葉を使い、このような言葉を子どもに投げつけています
ただ単に、自分の不安や心配を解消するために、これらの言動を行っているということに気が付かなければいけないのです。
これらの言葉が、どれだけ子どもを傷つけ、子どもの生きる力を奪っているのかを考える必要があるのです。
アダルトチルドレンは珍しい話ではありません。
もしかしたら、あなた自身がそうかもしれないし、あなた自身がアダルトチルドレンを育てているかもしれないのです。
人は変わることが出来る
機能不全家庭は、珍しい事ではありません。
私のカウンセリングの師匠は、90%位は機能不全家庭ではないか、と言っています。
もし、自分もアダルトチルドレンかもしれないと思った方も安心してください。
人間は変われるし、過去は捨てることが出来ます。
あなたが身に付けた価値観、ものの見方は、厳しい子ども時代を生き抜ぬくために身に付けた鎧のようなものです。
しかし、それは、自分の力で生きることが出来るようになった時にはもう必要ありません。
もう、親の顔色をうかがう必要もないし、自分を必要以上に責める必要もありません。
あなたを守ってきたその鎧に、「今までありがとう」と感謝をして、手放してしまえばよいのです。
そして、これからは自分が自分を守ると決めるのです。
自分の思うがままに生きていくことを決めるのです。
そう決めることが、アダルトチルドレンから抜け出す第一歩なのです。