都市と地方は対等の関係-デンマークから学ぶこと④

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こんにちは!
スタイリッシュエイジングクラブ会長の渕脇です。

今日のブログも、デンマーク関係の話を書こうと思う。
もういい加減飽きた、という方も是非読んでみ欲しいし、一緒に考えてほしい。

12月18日に参加したイベントのタイトルは、

サスティナブル・ソーシャルデザイン対談
『デンマーク・ロラン島から学ぶ!持続可能な社会の創り方』

対談するのは、宮城大学事業構想学部長兼事業構想学研究科長で、ガイア都市創造塾塾長の風見正三氏と、デンマーク・ロラン島在住のジャーナリスト、ニールセン北村朋子氏。

風見正三氏のプロフィール

ニールセン北村朋子氏のプロフィール

「サスティナブル」というのは、「持続可能な」という意味で、自然との共生を実現して行こうということ。

このセミナーで、ニールセン北村朋子氏が最初に話題にしたのが、都市と地方の関係についてだった。

都市と地方は対等である

最初に話題に上ったのは、大都市というのはそれ単体では存在できないという話。

どういう意味かといえば、都市には地方から、食料や人材やエネルギーなどを供給してもらわなければ存在できない。

まるで、生まれたての赤ちゃんのように、いろいろな人に手をかけてもらわなければいけないだという。

地方の手を借りて初めて都市は存在することができるようになり、そしてお金を生み出し、ごみも大量に生み出す。

だから、都市と地方は対等の関係なのであると。

この考え方も、至極ごもっともで、感心した。

都市の方が上位にある日本

これに対して、日本ではどうか。
なんとなく、都市の方が上で、地方が下というイメージがないだろうか?

地方が疲弊していっても、それは仕方がないことだ、というような考え方をしがちだよね。

でも、もし地方が疲弊しきってしまって、農業や漁業などの一次産業が壊滅してしまったら、日本はどうなるのか。

果たして都市だけでやっていけるのか。
それは不可能だよね。
やはり、地方あっての都市である、ということを忘れてはいけない。

では、なぜ、日本は、都市の方が上だという考え方なのか。
それは、お金を払う側の方が偉いという感覚があるからです。

都市はお金を生み出だすから、お金の流れは確かに都市から地方へと流れていく。
お金を払う方が偉いのだとしたら、都市の方が偉いのだ。

この感覚を、多くの日本人は持っている。
お金を払う方が偉いのだ。

都市と地方の関係だけではない

考えてみれば、お金を払う方が偉いというのは、都市と地方の関係性だけではないよね。

経営者と従業員では、経営者の方が偉いというのも同じ。
従業員がいなければ仕事にならないはずなのに、なぜか経営者の方が偉いと思っている。

本来であれば、従業員はその労働力や個人のスキルを提供して会社を支えているわけだから、経営者とは対等な関係にあるはず。

また、下請け業者にたいしても、本来なら、仕事をお願いしている立場なのですから、対等の関係であるはず。
しかし、下請け業者に対して偉そうな態度をとっている人は多いよね。

そもそも、「下請け」という言葉が、その上下関係を表していて不適切だ。

外注とか、アウトソーシングという言葉であればいいのだけれど。

システム全体を俯瞰する

都市と地方。
経営者と従業員。
元請けと外注。

その関係性は対等なはず。
にもかかわらず、お金を払う方が偉いと思ってしまうのは、おそらく全体を見渡す俯瞰的な視点がないからだろう。

ともに支えあっている対等な関係であるという感覚が欠如している。

目の前の関係だけを見ているからそうなるのであって、全体を俯瞰的にみれば、やがては巡り巡って自分の首を絞めるということを理解できていない。

従業員を搾取して、下請けを搾取する。
消費者はなるべく安いものを買おうとする。

その結果、お金が回らなくなり、市場にお金が少なくなって経済が冷え込む。
そうして、結果的に自分の首を絞めることになっている。

こんなことを続けることで、本当に大事なものを失っていないだろうか?
そこを考えたことがあるだろうか?

デンマークは全体を俯瞰して見ている

今日で、一連のデンマークブログを終わりにしようと思うけれども、デンマークの凄さを一言いうと、全体を俯瞰してみている人がいるんだろうなあ、ということ。

教育から始まって、国家のビジョンから、政治、経済まで、すべてにわたって計画的に行われているように感じる。

日本のように、行き当たりばったりの国作りをしているわけではない、ということを強く感じる。

この学びを日本で実現しようとするのは、とても大変なことだと思うけれども、僕にとってはとてもいい学びになった。

この学びは、本業のカウンセリングにも大いに役立つと思う。
それは、デンマークと日本を対比することで、日本社会の持つ問題点が浮き彫りになったからだ。

視点をデンマークに移して、そこから日本を見ているような感覚だった。
やはり、俯瞰的にものを見るというのはとても大切なことなのだ。

さて、4回にわたりデンマークの話題を書いてきたけど、これをお読みのあなたには、何かが伝わっていてくれたらうれしい。

そして、身近なところから、できることから変えていけるように行動してくれるともっと嬉しいなあ。