ほくほく線の旅

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今、この文章は、新潟県の鵜の浜温泉の温泉旅館で書いています。
家内の母が今年喜寿を迎えるという事で、こちらでそのお祝いをしようとやってきたのです。
家内は、長野県の北部、木島平村の出身で、義母は今もそこで一人で暮らしています。

家内は学校給食の仕事をしているので、春休みは毎年、子供達を連れて実家に帰り、私は仕事があるので東京に残るというのが恒例なのです。
今年もそのつもりで計画していたのですが、家内が義母を温泉に連れて行きたいと突然言い出して、当初は私は参加しない予定でしたが、お祝い事でもあるので、急遽、参加することにしました。

仕事の都合で、私は一人だけ、東京からこの鵜の浜温泉にやってきました。
木島平村からなら、近いのですが、東京からとなるとなかなか不便な場所で、どうやって行けば良いのだろう?と調べてみると、ほくほく線というかローカル線を使えば良いことがわかりました。

このほくほく線は実に面白い路線で、地方のローカル線にも関わらず、そのほとんどがトンネルの中なのです。しかもほぼ直線なのでスピードも速く、地方のローカル線のイメージとは全く違うのです。
以前、たまたまテレビのとある番組で紹介されていたのを見てから興味を持って、なんとなく気になっていたのですが、今回、ほくほく線に乗るチャンスがやってきました。

大宮から新幹線に乗って越後湯沢で在来線に乗り換え、六日町からほくほく線に乗り換えました。車両はワンマン運転の二両編成。これは一般的なローカル線のイメージそのままです。

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しかし、その線路は全く違います。
本当にトンネルばかりなのです。さらに、トンネルの中に駅まであるのです。
トンネルを出ると駅があり、無人駅も少なくないし、駅前が特に栄えているわけでもなく、小さな山間の集落といった風情です。

乗客は地元の学生さんが乗っていましたが、さほど混んでいるという印象はありません。

十日町駅は、JRの飯山線と交差しているのですが、この駅の前後はなんと高架になっています。

山の中をほぼ直線にトンネルで貫き、高速で運行し、高架の上を走るワンマンカー。

ほくほく線は第三セクターです。第三セクターで運行されている地方ローカル線の運営は厳しいというイメージが私の中にあり、一体この路線は、誰がなんのために作って、どうやって採算を取っているんだろうか?という疑問が湧いてきました。

そこで、ネットで調べてみると、鉄道を誘致した地元の人達の長い長い戦いと、田中角栄が絡んでいたこと、北陸と東京を結ぶ物流の重要な路線として旧国鉄が計画し着工したこと、北陸新幹線が開通する前は、この路線をJRの特急が高速運行していた事などがわかりました。北陸新幹線が開業するまでは、全国の第三セクター鉄道ではトップの収益をあげていた事などがわかりました。

北越急行ほくほく線 ウィキペディア

地方のローカル線という狭い視野では分からなかったことが、東京と北陸を結ぶ、という広い視野で見ることで、全ての謎が解けました。視野を広く持つ、視点を変えてみる、ということはとても大切だなあと、改めて勉強させられました。

ずっと気になっていたほくほく線に乗ることができて、その謎も解けて、お義母さん孝行も出来て、温泉にも入れて、美味しいお魚と地酒を頂いて、本当に大満足の旅でした。

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