一昨日、4月17日(日)、茨城県の霞ケ浦のほとりで開催された、かすみがうらマラソンに参戦した。私にとっては、この大会はシーズンの締めくくりの大会であり、目標の大会でもある。
ところが今シーズンは、まともに練習が出来なかった。
昨年の夏に、自転車で転倒して鎖骨を折った。
その後、全く走る気力をなくしていた。
走っても辛いだけで、気持ち良さを感じられなかった。
さらに、母が脳梗塞を起こして、生死の境をさまよう事態となった。
連日のように病院に通うことになり、ランニングどころではなかった。
そのうえ、産業カウンセラーの資格試験が1月に控えていた。
その試験までは勉強に集中するために、ランニングは気晴らし程度にしかできなかった。
産業カウンセラーの試験の一週間前に、横田基地で行われるハーフマラソンに出場するはずだった。
そのハーフマラソンを皮切りに、しっかり練習する計画だった。
しかし、その一週間前に、子供たちと公園で鬼ごっこをしていて左足首を捻挫してしまった。
おかげで、横田基地のハーフマラソンは棄権。
2月の青梅マラソンも棄権。
青梅マラソン後に少しずつ走れるようになったのだが、2月の下旬に風邪をひいて、1ヶ月ぐらい体調が悪かった。
3月の春分日に行われた多摩湖駅伝の後に、ようやく本格的に走れる状態になった。
かすみがうらマラソンに参加するには、準備不足は明白だった。
多摩湖を2周(24㎞)することは出来るようになったけれど、それ以上走れるようにはならなかった。
そこで私は、中間点までは、今持てる力を全部出そうと考えた。
その後は行けるところまで行こうと考えたのだ。
レース当日、スタート時の天候は曇りだった。
気温は肌寒くもなく、スタートを待つ時も寒くはなかった。
若干風が強かったけれども、レースのコンディションとしてまずまずだった。
前半はとても良かった。
調子も良く、計画通りかそれ以上のペースで走ることが出来、中間点までは目標をクリアできた。
ところが、22キロ地点を過ぎたころから、雨が降ってきた。
天気予報では小雨が降るとなっていたので、当初はあまり気にしてなかった。
しかし、やがて雨と風がどんどん強くなって、しまいには台風並みの暴風雨になった。
ちょうど足が辛くなってきたタイミングでもあり、身体が冷えて、気力も続かなくなった。
25キロ地点までは、何とか気力で持ちこたえたが、やがて足が攣り始めた。
30キロの手前でついに立ち止まってしまった。
立ち止まってストレッチをして、また走り始めた。
しかし、すぐに足が攣ってしまう。
大雨の中、立ち止まり、歩き、を繰り返していると、身体がどんどん冷えてくるのがわかる。
こんな雨の中、しかもこんな足の状態で走り続けることに意味があるか?
身体冷えているので、もしかしたら危険な状態になるかもしれない。
前半頑張ったから、もう目標は達成したじゃないか。
そんな事を考えながら、苦しみながらとにかく前に進んだ。
32キロ地点の給水ポイントの後ろに、スタッフの控室が見えた。
そこにリタイヤしたランナーが数名、暖をとっているのが見える。
ああ、俺もリタイヤしよう。
そう思った。
そう思って、その控室の方へ歩きかけた。
しかし、歩いてみると、まだもう少し行けるような気がした。
いやいや、もう少し行ってみよう。
ゆっくりでいいから、行けるところまで行こう。
そう思い直して、また走り始めた。
しかし、それから1キロも行かないうちに、両足の太ももが攣ってしまた。
立ち止まってストレッチをしても、すぐに攣ってしまう。
歩いてもなかなか収まらない。身動きが取れない。
暴風雨の中、さっきリタイヤしなかったことを後悔しながら、呆然と立ち尽くした。
さっきのところまで歩いて戻ろうか。
そんな事も頭によぎった。
しかし、戻るのは悔しかった。
戻るくらいなら、前に進もう。
そう思って歩き始めた。
しばらく歩いていると、太ももが楽になってきた。
そしてまた、走り始めた。
とにかく帰ろう。
ゆっくりでいいから、帰ろう。
そう思いながら、休み休み帰ることにした。
そうしたら、だんだんと足が攣る頻度が少なくなっていった。
相変わらず暴風雨で寒かったが、なんとかゴールにたどり着くことが出来た。
私がゴールにつくころには、雨もやみ日が差してきた。
本当に、とんでもないレースだった。
今回のレースで分かったことは、やっぱり練習は嘘をつかないという当たり前の事。
40キロ走り切れる身体を作っておけば、あの天候でも走れたんだろうなあ、と思う。
私のガソリンが切れるそのタイミングで、雨が降ってきただけの事だ。
来年はちゃんと、40キロ走れる身体を作ろう。
今はそんな風に考えている。
何事もそうだけれども、近道は無いのだ。
やることをやった分だけの結果しか得られない。
近道を探しているうちはうまく行かない。
近道は無いと腹をくくった方が良い結果が得られるのだ。
それは当たり前の事なんだなあ。
なかなか、思い出に残る良いレースだったな。
一生忘れないだろう。