
「鉄」が不足すると精神が不安定になる
またまた、大変興味深い本を読んだ。
先日、このブログでも紹介した、精神科医藤川徳美先生の【うつ消しごはん】。
その藤川先生のと著書【うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった】です。
こちらの本は、新書ですので、【うつ消しごはん】に比べると、もう少し理論的に詳しく説明されていますし、症例がたくさん載っていて、藤川先生が実際にどのような治療を行っているのかがわかります。
また、別の意味で興味深いのは、藤川先生が今の医学界について苦言を呈している部分です。
医師は栄養学を勉強しないとか、最新の医学的な知見まず書籍として発表されるなどの意見は、医学界の外にいる人間には知りえない、貴重な記述でした。
現代人は質的な栄養失調に陥っている
飽食の時代と言われるくらい、現代は食べ物にあふれています。
だから、まさか現代人が栄養失調に陥っているとはだれも考えないですよね。
藤川先生によると、現代医療もまた、現代には栄養失調はない、という前提で医療を行っていると言います。
ですから、患者の体調不良が、栄養失調によるものであるとは、思いもよらないのだと。
現代人の食事は、炭水化物に偏ってしまって、タンパク質不足と鉄不足が深刻で、そのために、セロトニンなどの神経伝達物質が減って、脳の活動に支障が出てしまう。
それが、精神疾患の原因なのではないかと、藤川先生は考えています。
特に、月経によって血液を失ってしまう女性の鉄不足は深刻で、産後うつなどは出産によって鉄不足が進むことによって起こるとしています。
月経がある時期の女性の精神的な問題は、この鉄不足による可能性がとても高いというのです。
精神疾患を治せないのは医師の勉強不足
うつ病は治らない病気ということで、「治癒」という言葉使わずに「寛解」という言葉を使っています。
しかし、藤川先生は、これは医者の怠慢だと言います。
なぜ、「完治」を目指さないのか。
完治を目指そうとしない、医者の勉強不足であるというのです。
つまり、精神疾患は治らないのではなくて、現代の医療では治せないということなのです。
私もかつてうつ病になりましたけれども、現在では治っていますし、私の仲間にも、知り合いにも、そういう人は沢山います。
にもかかわらず、医師は「完治」という言葉を使わない。
そのせいで、うつなどで通院歴があると、あらたに生命保険にもれなくなるという事態になっています。
これは、複数の保険の営業マンから聞いた話なので、間違いはありません。
一般人の医学的知識が専門医を凌駕する時代
現代は、情報化社会です。
新しい、医学的なパラダイムシフトが起こると、それは直ちにネットに公開され、書籍として世の中に出回ります。
医学の学術論文よりも早く、世の中に出ると言います。
藤川先生も、若い頃は論文をたくさん書いたけれども、今は書く気が全くしないと。
それよりも、Facebookやブログによる発信や、本という形で世に出したいほうが良いと言います。
さらに、藤川先生自身も、本を読んで新しい知識を吸収しているというのです。
本を読んでどん欲に勉強している一般人のほうが、本を読まずに論文しか読まない専門医よりも、医学的知識に詳しい時代になったと言っています。
鉄不足の症状
さて、あなたは、原因不明の体調不良で悩んでいませんか?
もしかしたら、あなたも鉄不足かもしれません。
鉄不足の症状は以下の通りだそうです。
心当たりはありませんか?
- イライラしやすい。集中力低下。神経過敏。些細なことが気になる。
- 立ちくらみ、めまい、耳鳴り。偏頭痛。
- 節々の痛み(関節、筋肉)。腰痛。
- 喉の違和感(喉が詰まる)。
- 冷え性。
- 朝なかなか起きられない。疲れ。
- 出血(アザ)。コラーゲン劣化(肌、髪、爪、シミ)。ニキビ、肌荒れ。
- 不妊
- レストレスレッグ症候群(RLS=ムズムズ脚症候群)。
- やたらと氷を食べる。…など
もし、心当たりがあるようならば、鉄不足を疑ったほうが良いかもしれませんね。
この本や、「うつ消しごはん」には、鉄不足を解消する具体的な方法が詳しく書いてありますので、ぜひ、参考にしてみてください。