太るメカニズムを勉強した
久しぶりの読書感想。
先日、ちょっと時間があったので、本屋をぶらぶらしていて見つけた本。
ダイエットのは強い関心があり、クラインとのダイエット指導もしているので、思わず手に取った一冊。
結論から言うと、非常に勉強になった一冊。
僕の考えていることが裏付けられた部分もあれば、指導の仕方を見直さなければいけない部分もあり、さらには、知らなかった事実も知ることができた。
ただ、疑問点や矛盾点もいくつか残ってしまっているのも事実で、まだまだこの分野は研究が必要なんだろうなあ、という印象はぬぐえない。
科学を妄信してはいけない
人はなぜ太るのか。
そして、どうしたら痩せられるのか。
こんな単純な問題でさえも、これだけ科学が発達した現代でもわからないことが多いということ。
それから、歴史的に見て、単なる仮説があたかも真実であるかのように語られてきた現実を知ると、おそらく今でも、そういう仮説がまだまだたくさん残っているんだろうなあ、ということを考えざるを得ない。
私たちは、科学を妄信しすぎていないだろうか?
そのことを改めて考えされられる一冊になっている。
この本に書いていあること
この本の内容を、私なりに箇条書きにしてまとめると。
- 太るのはインスリンが分泌されるから。
- インスリンは血糖値に反応するがそれだけではない
- インスリンを常に分泌しているとインスリン抵抗性が高まる
- インスリン抵抗性が高まるとさらにインスリンが分泌される
- インスリン抵抗性をリセットするにはインスリンが分泌されない時間を長くする
- すなわち、モノを食べない時間をとる(ファスティング)が効果的
- 甘味を感じただけでインスリンは分泌される(ゼロカロリーの人工甘味料でも)
- 胃の中に食べ物が入るとインスリンは分泌される(タンパク質でも)
- 高度精製された炭水化物および糖は毒である
- その毒を解毒するのは食物繊維である
- 精製されていない炭水化物は毒(糖)と解毒剤(食物繊維)が一緒になっている
- カロリーだけでは太るメカニズムを説明できない
- 人間の生理はとても複雑で単純化できない
こんなところだろうか。
私がこの本から学んだこと
とくに、私があらたにこの本から私が学んだこと
- やはり糖分の取り方を気をつけなければいけない
- 空腹を感じることはとても大切
- 食事を摂らない時間を長めに取ることが大切
ということだろうか。
この本の中にも何度も出てくるけれど、人間の生理はとても複雑で、複雑であるからこそ、沢山のダイエット法が生み出されて、そしてどれもそれなりの成果を出しているということ。
さらには、たくさんあるダイエット法に共通点が多いことも、当たり前と言えば当たり前のこと。
人体という共通のものを扱っているのだから。
筆者が伝えたかったこと
だが、この本の筆者が一番強調したかったことは、インスリン抵抗性を解除することの重要性だろう。
それは、筆者が2型糖尿病治療を専門に行う医師だから、という背景もありそうだ。
2型糖尿病はまさしくインスリン抵抗性が高まり過ぎて、インスリンが利かなくなる状態に陥る病態である。
にもかかわらず、従来の治療法では、さらにインスリンを投与して、食事指導では主食(炭水化物)をしっかりととるように指導される。
このことに筆者は異を唱えているのだ。
インスリン抵抗性を持つ患者に対して、炭水化物を摂取させてそのうえで、インスリンをさらに投与する。
やってることがおかしい。
これでは病気がよくなるわけがなく、ますます悪化してしまう。
さらに、どんどん太っていくということが起こる。
だから、インスリン抵抗性を解除することをとても重要視しているのだと思う。
太るメカニズムを知りたい人にはおすすめ
この本は、太るメカニズムがとても詳しく書いてあって、これまでダイエットに対して抱いていた疑問を解き明かしてくれた。
読んだ後のスッキリ感は、とても素晴らしい。
でも、時間が経つと、いろいろと疑問も湧いてくる。
それはたぶん、この本の中で筆者も触れているが、人間のカラダというのは単純にはできていないからだろう。
私にとっては、この本に出会えたことは、とても有意義だった。
私のダイエット指導にも、さらに磨きがかかることは間違いない。